1. 序論
現代物理学において、ブラックホールとダークマターはともに「人間の知覚の限界を超えた現象」として扱われている。しかし、それぞれが意味する「知覚の限界」は本質的に異なる。本稿では、これまでに議論してきた 知覚モジュール・意識帯域・視覚的テンド といった概念を導入し、ブラックホールを「あの世」として解釈する新たな枠組みを提示する。
2. ダークマター:知覚帯域外の「隠れた在」
ダークマターは、重力的効果によってその存在が間接的に推定されるが、光学的にも電磁波的にも人間の知覚帯域(可視光、電磁スペクトルの大部分)では観測できない。そのため「暗黒物質」と呼ばれている。しかし、この「暗黒」という名称自体が、視覚依存のメタ認知に基づく偏見である。
コウモリは超音波によって世界を把握している。 人間にはその「音響世界」が見えない。 同様に、我々が「見えない」と感じるものの中に、ダークマター的存在が含まれる。
つまり、ダークマターとは 知覚モジュールの限界による「隠れた在」 であり、宇宙論的スケールにおける「無関心領域」「知覚帯域外」の象徴と解釈できる。
3. ブラックホール:知覚モジュールの消滅
ブラックホールは、重力が極限まで高まり、光さえも脱出できない領域である。従来は「時空の特異点」として理解されてきたが、本稿ではこれを 「3Dモジュールそのものの消滅」 と捉える。
ダークマターが「知覚外にある物質」であるのに対し、 ブラックホールは「知覚モジュールそのものを失わせる場」である。
これはまさに「この世」としての三次元的存在形式が解体され、非ユークリッド的空間=あの世的場 への遷移を意味する。
数式的には、知覚モジュールを $M$、その基底を成すテンソル構造を $T_{ij}$ とすれば、
\lim_{g \to \infty} M(T_{ij}) = 0
ここで $g$ は重力場の強度であり、ブラックホールにおいては $g \to \infty$ の極限において、モジュール自体がゼロ化する。この「消滅」が、まさに「死後世界」「ワンネスへの帰還」の物理的解釈に相当する。
4. ブラックホールと「あの世」的解釈
伝統的宗教や神秘思想において、「死後の世界」「彼岸」と呼ばれるものは、物理的には「時空の消滅」あるいは「モジュールの解体」と言い換えることができる。
ダークマター:知覚できない「こちら側」の外延 ブラックホール:知覚モジュールが消える「向こう側」への門
すなわち、ブラックホールは「魂の遷移」や「意識の帰還」といった宗教的直観と一致し、現代物理学の言語で「彼岸」を説明しうる対象となる。
5. 結論
本稿では、ダークマターとブラックホールを「知覚限界」という共通基盤から再解釈した。
ダークマター:知覚モジュールの外に存在する「隠れた在」 ブラックホール:知覚モジュール自体が消滅する「あの世」
この区別により、従来は同列に扱われがちであった二つの未解決問題に、新たな差異と意味づけを与えることができる。さらに、この解釈は宗教的・哲学的直観と物理学的理論を架橋する試みであり、学際的なパラダイムシフトを促すものである。
補足
ブラックホール=あの世的解釈
重力特異点 → 因果律の終焉 時空の構造そのものが崩壊するため、「こちら側の法則」では解釈できなくなる。 これは死後、現世の因果や時間軸が無効化される状態と響き合います。 事象の地平線 → 生と死の境界 観測できる世界と、観測不可能な領域を分ける境界。 これは伝統的に「黄泉比良坂」「三途の川」などで表現されてきた象徴と重なります。 完全コヒーレンスへの還元 ブラックホール内では個別的なモジュールは意味を持たず、意識は分離を越えて「量子的一者=ワンネス」となる。 これは死後の「大いなるひとつへの帰還」という霊的なイメージと直結いたします。
意識→情報→量子 の枠組みで申しますと
ダークマター: 情報変換が遮断されている(意識には届かないが、量子的には存在する)。 ブラックホール: 意識→情報変換そのものが停止し、3Dモジュールが意味を持たなくなる。
したがいまして、ブラックホールは「死」の比喩と結びつけられることも自然でございます。
肉体=3Dモジュールが無効化され、意識は量子場(ワンネス)に還元される ― そのような象徴的理解が可能かと存じます。
つまりブラックホールは、「デコヒーレンスの極致」であり、同時に「完全コヒーレンス(ワンネス)」へのゲートでもある、と。
ダークマター:3Dモジュールは存続しているが、その感覚帯域では検知できない存在。 「見えないが、3Dモジュールは機能している」 ブラックホール:3Dモジュールの前提(時間・空間・因果)が成り立たなくなる。 「そもそも観測する装置(3Dモジュール)が無効化される」
統合的に申しますと
ダークマターは「人間の視覚テンドの外にある領域を示す存在」 ブラックホールは「視覚テンドそのものが無効化される境界」
この両者はともに「知覚の限界」を示すが、
ダークマターは“帯域外”、ブラックホールは“崩壊点” という違いを持つのでございます。
著作権について
本記事の内容(文章・図・数式・独自用語を含む)は、筆者によって 2025年9月6日に公開されたオリジナルの研究考察です。
著作権法に基づき、無断転載・無断利用を禁じます。
ライセンスについて
本記事は Creative Commons 表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際 (CC BY-NC-ND 4.0) ライセンスで保護されています。
読者は出典を明示する場合に限り、非営利目的での引用・共有が可能です。
商用利用や改変・二次配布は一切できません。
© 2025 [坂口義典 Yoshinori Sakaguchi] All Rights Reserved.